時計について

今回は時計ネタです。

僕は30歳になるまで全く時計に興味を持つことがなく、大学合格祝いに父に買ってもらったタグホイヤーの時計を気に入って10年間以上大事に使ってきました。周囲に高価な時計を付けている友人がほとんどおらず、30万円クラスのタグホイヤーやオメガが最強レベルで羨望を集めていました。

自力である程度の安定した収入を得られるようになり、車を買い替えたところでふと時計のことが気になり始め情報収集を始めました。しかし、インターネットや雑誌で見ていても、全く時計の値段の付けられ方が分からないのです。一見同じように見えるクロノグラフに、なぜブランドの違いで数万円のものから数百万円まで差ができるのか。ロレックスが断トツで取り上げられているのはなぜなのか。

星の数ほど存在する時計の世界の入り口に佇み、途方に暮れてしまいました。自分が欲しいモデルは何なのか。デザインも機能も素材もブランドも、そのバリエーションの数は想像を遥かに超えていたのです。

ともかくまず時計の世界の全体像をつかむべく、ひたすらにキュレーションサイトを読み漁りました。具体的には、watch-monsterさん、watch-media-onlineさん等です。膨大な量の過去ログを全て読破するのに約1ヶ月かかりました。当初、何一つ知識が無かったため、初見の用語が出てくる度に調べなければならず嫌になりましたが、理解が進むにつれ時計の面白さ、奥深さに引きずり込まれてゆくのが感じられました。サイトの罠に自ら嵌っているだけとも言えますが。

知識が人並みに付いてきたところで、2016年のバーゼルワールド(スイスで毎年春に開催される時計の見本市)が開催され、すぐさま時計関連のみならず様々なファッションサイト、雑誌で新作時計が取り上げられました。なかでも、ロレックスの新作ステンレスデイトナが非常に恰好良く、大きな話題となりました。まだまだ時計の勉強中で、これと言って特別に心惹かれるモデルもなかった時期でしたが、このデイトナは強く印象に残りました。しかし、定価100万円以上もする時計であり、とてもではないが買えるものではなくそもそも自分には分不相応な、どこか違う世界のものという捉え方でした。この時はまだ、どこの時計屋にでも転がっているような、ただの時計と思っていたのです。

その後しばらくして、実際にブティックに行って見てみようと思い百貨店のロレックス正規店を訪れました。緊張を押し隠し、ショーケースを眺めていると、なぜか雑誌やサイトに取り上げられているようなスポーツモデルがどこにも見当たりません。一周、二周してみても金や宝飾モデルばかりであり、やはり思い描くステンレスのデイトナはおろか青黒ベゼルのGMTマスターⅡ、サブマリーナも無いのです。恐る恐る店員に尋ねてみると、ステンレスモデルは世界的に品薄であり、デイトナに至ってはまだ1本も入荷実績がないとのこと。予約すらも受け付けていないという現実を、この時初めて知らされることとなりました。

新作デイトナと同時に直感的に非常に気になっていたモデルがあり、それは同じく2016年バーゼルで発表されたヨットマスターの新色であるダークロジウムでした。こちらは37mmのボーイズサイズのみ陳列されており、試着させてもらうととても美しく、光の加減で変わるサンレイ仕上げの文字盤の表情、ティファニーブルーの針と文字盤とのコントラストにしばし見とれてしまうほどでした。またそれ以上に、静止画では想像もしなかったようなベゼルとブレスレットの輝きに感動し、40mmサイズを大丸外商さん経由で入手することとなりました。

これが僕の初めての高級時計であるロレックス購入ストーリーになります。次回は半年使用してみてのレビューをお届けしようと思います。

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