第①弾として、候補第1位に考えている「ポルシェ911(991)GT3」を検証してゆきましょう。
自分自身の勉強も兼ね、予備知識の全く無い方にも分かりやすいようまとめます。
ポルシェの2シータースポーツモデルのラインアップは
「ケイマン」「ボクスター」「911」の3つ。
ごく簡単にこれらの違いを説明すると
スポーツカーとしてのスパルタンさで並べると
となるでしょうか。
もちろんそれぞれのシリーズに数多くのグレードが設定されており、必ずしも全てこの限りではありません。
今回タイトルに挙げたのは「911」シリーズの中の「GT3」というモデル。
走りに特化した「911」シリーズの中で、特にサーキットでの使用を重視し開発されたモデルが「GT2」「GT2RS」「GT3」「GT3RS」
「GT2」「GT3」のネーミングの由来は、自動車レースのカテゴリーから。エンジン排気量、車重、駆動系、足回り、燃料タンク容量などのレギュレーションにより「GT1」から「GT4」まで分類されており、他メーカーではメルセデスAMGの「AMG GT3」などに用いられています。
ポルシェのラインナップでは「GT4」は「ケイマン」の中に設定されています。「RS」は「レンシュポルト」の頭文字で、よりハードコアモデルを指します。
「911」シリーズに「GT3」モデルが登場したのは今から10年前の1999年。
996 – 997 – 991とモデルチェンジがなされ、初期型の「360ps/370Nm」から現行の「500ps/460Nm」へと10年間を経て大幅な馬力、トルクアップを遂げています。現行最新型911である「後期991(991.2)GT3」が発売開始されたのは昨年2017年4月。
国内車両本体価格 = 21,150,000円。オプション装着、乗り出し価格は「2,500万円~」
国内でも順に納車が始まり、中古車サイトにも掲載されるようになってきましたが「2,800~3,000万円(2018年7月現在)」ともちろんプレミア価格のため到底手が届きません。そのため、「前期991(991.1)GT3」の中古車を検討することに。
「前期991(991.1)GT3」の発売開始は2013年3月
諸元は以下の通り
エンジン:フラット6 NA
排気量:3,799cc
最高出力:475ps/8,250rpm
最大トルク:440Nm/6,250rpm
トランスミッション:7段PDK
新車本体価格:18,590,000円
駆動方式:RR
車重:1,430kg
0-100km:3.5s
最高速:315km/h
トランク:フロントおよび車内後部スペース
サスペンション:フロント-マクファーソンストラット、リア-マルチリンク
燃料タンク容量:64L(オプション90L)
具体的なインプレッションは数多く存在する試乗記に委ねるとして、ここでは中古車選びのポイントについて考えてゆきます。
※写真はポルシェセンター神戸に展示してあった「997 GT3(MT)」
①正規ディーラー購入車か並行輸入車か
Googleで”911gt3″, “中古”と入力を行うと「カーセンサー」、「グーネット」、「価格.com」などの大手中古車取り扱いサイトが上位に表示され、大体どのサイトにも同一車体が同価格で掲載されています。
見ていると、「年式」「走行距離」「グレード」「カラー」「オプション」がほぼ同等の個体にも関わらず大きな価格差が生じている場合があります。詳細を見ると大抵の場合安い方の個体には「並行輸入車」の記載があり、「991.1 GT3」ではその差約「100~150万円」。
「並行輸入車」のほとんどは正規輸入を待ちきれないオーナーがショップに依頼し、国内正規ディーラーでの販売が開始されるより一足先に入手したもの。製造組み立ては全てドイツ国内の工場で行われているため、基本的に正規輸入車との違いは無い模様。
しかし車両検査時に使用する「診断コンピューター」が日本仕様でないため使えない場合が。また、稀に日本仕様と異なるパーツが一部使用されていた場合、交換部品の輸入のためかなりの時間を要するケースがあるようです。
②エンジンリコール問題
「991.1 GT3」は、2014年2月にピストン・コネクティング・ロッドのネジの緩みが原因とされるエンジン損傷および車両火災問題によりリコールが行われています。該当車両はリコールによりエンジン交換対応となっていますが、「並行輸入車」でエンジン交換がなされていない車両についてディーラーでの交換をしてもらえるのかどうか気になるところ。
この件に関し、ポルシェセンターの担当の方に聞いたところ、今現在エンジン交換がなされていない車両は市場に出回っていないとのことです。
③オプション選択
中古車の場合、1からのオーダーとは違い既に各種オプションが装着された車両の中から自分好みの個体を探してゆくことになります。
【ボディーカラー】
中古車で出回っている個体のほとんどがリセールの強いホワイトかブラック、シルバー。個人的にはマイアミブルーもしくはホワイトを選びたいところ。
【フロントリフター】
車高が極端に低いため、段差でフロントリップを擦ることのないようスイッチを押せば一時的にフロント地上高を上げてくれるオプション。これは必須オプションかと思いきや、意外にも装着されていない個体もちょくちょくあるようです。サーキット専用車として考えた場合には不要なオプションであり、フロントリップはFRP製で比較的安く(¥2~3万)交換できるためあえて選択しないオーナーもいるとのこと。サードパーティー製の車高調後付けにより代用可能。
【クラブスポーツパッケージ】
後部座席(シートはありません)エリアにロールバーが装着されたサーキット走行向けオプション。安全性がアップする反面、ただでさえ狭い荷物容量が大きく制限されます。個人的には不要ですが、付いていればGoProを装着できます。
【PCCB(ポルシェ セラミック コンポジット ブレーキ)】
ブレーキキャリパーの色が黄色の個体はこれが装着されています。150万円を超える高額オプションであり高性能ブレーキを謳っています。高額なため頻回のサーキット使用などで破損した場合の修理額も高額となってしまうため僕なら選びません。
以下参考までに
「911GT3」の歴史がかなり詳細に記載されています。
https://en.wikipedia.org/wiki/Porsche_911_GT3#991.1_GT3
東京の大手中古車販売店「ロペライオ」のYoutubeチャンネルより
内容はカジュアルですが、恰好付けたサーキットインプレッションよりもよほどイメージが湧くのでよく参考にしています。「991GT3」「997GT3」いずれも紹介されていました。
参考までに2018年7月現在、カーセンサーで「911 gt3」検索結果は「148台」
うち、「991.1 GT3」の登録台数は「23台」
ボディーカラーの内訳は
ホワイト:16台 ブラック:3台 レッド:3台 シルバー:1台
車両本体価格は「1,550~1,985万円」
走行距離は「0.1~2.8万km」
となっています。
ディーラーからの認定中古車入荷連絡を待ちつつ、カーセンサーでブルーの個体が出てくるのを待ちたいと思います。