タイヤゲージとは

今さらながらですが
サーキット走行の経験が無い方はまず持っていないと思いますが、自分でタイヤの空気圧調整が行えるポータブルの圧調整器というものが存在し、「タイヤゲージ」という名称で一般的に売られています。
最近の車にはタイヤ空気圧低下をセンサーで感知してくれる機能が付いているものも多いため、空気圧アラートを見てガソリンスタンドもしくはディーラーで空気圧補充をお願いするのが一般的ではないでしょうか。
サーキットでは走行前にエア抜きが必須
僕が初めてマカンGTSでサーキットに足を踏み入れた時、右も左も分からずいきなりコースデビューをしました。始めのうちは調子良く走れていたのですが、たった数周後にはグリップが効かなくなり、その後も明らかなパフォーマンス低下に見舞われます。
そう、後から知ったのですが、原因はタイヤの熱膨張による変形。
サーキットでは街乗りと違い、急加速急減速を短時間で連続して行うことになります。そのため、路面とタイヤとの摩擦により一気にタイヤが熱せられ、空気膨張によりタイヤがパンパンに。すると接地面積が小さくなるためグリップ力が低下し、止まらない曲がらない状態になってしまうのです。
これを防ぐため、あらかじめ走行開始前もしくは数周回後にエア抜きをし、タイヤ空気圧を下げてやる必要があります。
991カレラの通常空気圧は?
推奨値に補正してある状態のモニター値は以下の通り


タイヤゲージで測定してみよう
先日鈴鹿サーキットでの走行会を前に、ついに自前のタイヤゲージを購入しました(前回は人のメカニックに頼んでいた…)。アナログ式が一般的ですが、ガジェット好きには堪らないデジタルモニター付きの製品がミシュランから販売されているのを発見!早速アマゾンで購入することに。

サーキット走行前の目安は?
車両、タイヤの種類等にもよるとは思いますが、991カレラの場合のサーキット走行における空気圧の目安は
フロント:1.7bar/リア:1.8bar
らしいです。何人かのメカニックの方に聞きましたが大体そのあたりの答えが返ってきました。周回後に2.0barを超えてくるようであれば再度調整を行うようです。
さて、実際にエア抜きをしてみましょう。まず、ホイールのエアバルブにタイヤゲージの口部分を垂直に押し当てることで空気圧測定ができます。

次に、押し当てた状態で少し先端を斜めにしてやるとプシューっという音とともにタイヤ内のエアーが抜けてゆきます。この際注意が必要なのが、タイヤ空気圧の変化をリアルタイムで見ることはできず(アナログタイプでも同様)、少しエアを抜いては垂直に戻して圧を確認、抜いては確認を繰り返してやる必要があります。

最終的にこのようにきっちり小数点一桁まで調整することができました。
まさかの単位間違いに後から気付く…

エア調整を行った後の車体モニターでは、このような圧表示。適正圧からの差が表示されているため、実質フロント:1.3bar/リア:1.2barといったところでしょうか。
目標圧はフロント: 1.7bar/リア: 1.8barのため、これでは明らかに低すぎるのですがこの時は全く気付いていませんでした(絶対圧表示を確認しておくべきだった)。
そして、そのまま鈴鹿サーキット本コースデビューを果たします。ベストラップは「2分32秒」、40台中10位という結果であり初走行にしてはまずまず。
しかし、走行会終了後にふと違和感を感じ、スマホで検索をしてみると
1bar = 14.5psi
何の先入観か、勝手に「1Bar = 10PSI」と思い込んでしまっていたため、異常に低いタイヤ圧で走行してしまっていたのでした。
つまり、PSI単位であれば
フロント:24.7psi/リア:26.1psi
に調整しなければならなかったのです。
よくそんな空気圧で1時間以上も走ったなあと背筋が凍る思いですが、事故もなくタイムもそこそこ出ているので案外大丈夫なのかもしれません(お勧めはしません)。
そしてもちろん、このデジタルゲージには単位切り替えスイッチがあり、ちゃんとbar表示で測定可能となっています。
抜いた空気は必ず補充を

適正圧を下回る空気圧で走行を続けているとタイヤ摩耗の偏りや、最悪バーストに繋がる恐れもあるため必ず帰りに充填が必要。
ガソリンスタンドでお願いすれば大体調整してくれますが、簡単なので自分でできるようになっておくと良いでしょう。少し高めの圧まで充填を行い、エアゲージで微調整すればOKです。
サーキット走行を目的に購入するのであれば、タイヤゲージは最も精度の高いミシュラン製品一択となります(ミシュラン以外を使っている人がいない)。日頃の点検レベルであれば安価なモノでも問題ないでしょう。